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赤穂市で長い間続けられている行事「とんど」。
とんどって何?
赤穂市に引っ越してきたころ、以前住んでいた地域ではなかった風習に子供たちは顔に「?」を浮かべていました。ぜひ行ってみたいという子供に、寒いし眠いのに...と、しぶしぶ付き合ったのですが、とても清々しい気持ちになったことを覚えています。いつも年明けになると気になるのですが、なかなか情報を探せないので、2020年の覚え書きとして記すことにしました。今回は、年に一度の新年の行事、とんどについてご紹介します。
2020年のとんどはいつ?
・荒神社(塩屋):6時15分~神事行事・6時半点火・7時餅まき
・伊和都比売神社(御崎):6時半~神事行事・7時点火・餅まき
・八幡宮(尾崎):6時~神事行事・6時半点火・7時餅まき
・大石神社(上仮屋):6時半~神事行事、続いて点火・7時餅まき
・大避神社(坂越):6時半~採火祭、続いて神社の下の海岸で点火
日にちに関わらず成人の日と、曜日に関わらず15日に決められているのかも。
とんどのタイムスケジュールとは?
家を出る時はまだ暗いので、やっぱり行くのは止めようかという想いにゆれる一瞬です。その一瞬を打ち勝つとわりとスムーズ。私は、「暗いから服はなんでもいいや」と思って出かけて、帰りは明るくなっていて恥ずかしかった経験があります。そんな時に限って、会社の人や子供の学校関係の方たちなど知っている人に出会ってしまって、さらに恥ずかしい限りでした。塩屋の荒神社に着いた時は午前6時半頃。関係者の方たちが境内の中での神事を終えて出てこられるところでした。
降りてこられてから、わりとすぐに点火にうつりました。点火の瞬間から見たのは初めてのことでした。点火までは空も暗いので寒さが身にしみますが、点火をするとすこし空気が変わります。
あたたかいというよりは、熱いくらいの燃え始めで勢いよく燃え広がっていきます。思わず後ずさり。ここ数日は晴れの日が続いて乾燥しているからか、よく燃え上がりました。竹で骨組みが作られていますが、パキパキと大きな音を立てて燃えるのでびっくり。時折ドンと爆発音がして、まるで花火の音です。しかしながら、それも一瞬のこと。ものの5分で火に包まれてしまい、すぐに音も収まります。
火の粉が夜空に舞ってきれいです。書初めを入れると文字がうまくなるという言い伝えを聞いたことがありますが、天に昇る煙を見上げていると分かるような気がします。しかしながら、帰る時、車のガラスに灰が飛んで黒くなっていたので、ご近所さんの立場ならではの違った側面を垣間見ました。愛されているからこそ、苦情にならずに行事として続けられているのでしょうね。参加するだけの身としては感謝しかありません。
20分後の6時50分頃には、1/3くらいの高さになり最初の形はありません。そして、消防団の方たちがいちばん大きな柱となっている竹を倒していました。熱っという声が聞こえてくる場面もありましたが、無事に倒れました。
7時5分前には餅まきの準備が始まり、みんな火から離れて、ゾロゾロとお餅をとるための場所選びを始めました。この時間になると、しっかりと明るくなっています。投げる量は近くの方が多そうでした。
近くにいる方が取りやすいのではないかと感じましたが、怖くて輪の中に入れません。すこし離れたところに転がってくるラッキーがあればと狙っていたら、運よくひとつゲットできて大満足です。
時間に遅れても火にあたることはできますが、燃える炎や餅まきはほぼ時間通りに始まり、一瞬の出来事でした。家に帰ってから写真を見て気がついたのですが、うっすらと虹が出ていました。わかるでしょうか?幸先が良いですね!
とんどの由来とは?
小正月に行われる火祭りの行事。地方によって呼び方が異なる。日本全国で広く見られる習俗で、元は左義長(さぎちょう、三毬杖)と呼ばれる。1月14日の夜または1月15日の朝に、刈り取り跡の残る田などに長い竹を3~4本組んで立て、そこにその年飾った門松やしめ飾り、書き初めで書いた物を持ち寄って焼く。
その火で焼いた餅(これも地方によって違いがある)を食べる、また、しめ飾りなどの灰を持ち帰り自宅の周囲にまくとその年の病を除くと言われている。また、書き初めを焼いた時に炎が高く上がると字が上達すると言われている。道祖神の祭りとされる地域が多い。
民俗学的な見地からは、門松やしめ飾りによって出迎えた歳神を、それらを焼くことによって炎と共に見送る意味があるとされる。お盆にも火を燃やす習俗があるが、こちらは先祖の霊を迎えたり、そののち送り出す民間習俗が仏教と混合したものと考えられている。
とんど(歳徳)、とんど焼き、どんど、どんど焼き、どんどん焼き、どんと焼き、さいと焼き、おんべ焼き等とも言われるが、歳徳神を祭る慣わしが主体であった地域ではそう呼ばれ、出雲方面の風習が発祥であろうと考えられている。とんどを爆竹と当てて記述する文献もある。これは燃やす際に青竹が爆ぜることからつけられた当て字であろう。
とんどの火にあたると1年間健康に過ごせる、と聞いたことがあり、その年の健康を願う行事だと思っていました。書初めを燃やすと文字が上達するというのも、母やおばあちゃんから教わったことがあります。そして、赤穂でもしめ縄や祝箸などお正月に使ったものを一緒に燃やす人が多いですね。私はいつも燃えるゴミに出しますが、せっかくなので今回はしめ縄を持っていきました。
遅ればせながら...と新年の挨拶をしている人がいたり、お餅は食べないけど拾いに来た!と話している人がいたり。人とのつながりを楽しみにして参加している人もいました。寒いですが、あたたかい交流の時間となっている様子でした。
公害などの観点や、少子高齢化などの理由から中止をする自治体も増えていると聞いたことがあります。とはいえ、伝統的な文化であることには変わりありません。可能であれば、後世に残して欲しいと願う赤穂の行事のひとつです。
まとめ
いかがでしたか?今回は、赤穂市の「とんど」について紹介しました。まいとし日にちは変わりますが、成人の日と曜日に関係なく15日だと覚えておくといいかもしれません。息子も2つお餅をゲットしたそうで、おぜんざいにしようと思います。休みの日はいつものんびりなので、まさに「早起きは三文の徳」でした。行ったことがない方も、ぜひ一度、お近くの「とんど」に足を運んでみてくださいね。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
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